過去５００万年の間に、１０数回おこったことが知られています。「５００万年」といってもピンと来ませんが、私たち人類が地球上に現れたのが、だいたいそのくらいです。つまり私たちの祖先は、地上に現れてから１０数回の地磁気逆転をくぐり抜けてきたことになりますね。

実は、まだよくわかっていません。理屈の上では、「地球の内部でドロドロに溶けた鉄の流れの向きが変われば、Ｎ極とＳ極が逆転する」ことが分っていますが、本当にそれが正しいのかどうか分かりません。正解は、他にもあるかもしれないからです。こういうのを、科学の言葉で「仮説」と言います。ひょっとしたら、正解を見つけるのは君たちかもしれませんよ。

いい質問ですね。実は、一瞬で入れ替わることはできず、数百年かけてじわじわ変わるとされています。これは、市原の現場からも確認された事実ですが、地磁気が一瞬では入れ替わらないということは、その間には「地磁気がゼロになる時期」があるということです。正しく言うと、地磁気がひどく弱くなって、かつ乱れた時期が百年ほど続いたとされています。

地層中にたまった砂鉄の向きをたんねんに調べることで判りました。地層とは、水の底に降り積もった泥粒がギュッと押し固められてできたものですが、Ｎ極とＳ極が入れ替わると、水底に降り積もる砂鉄の向きが変わるのです。で、その形のままギュッと押し固められて動かなくなるから、過去の地磁気の向きが記録される。地層に方位磁石をあてても分からないから注意してください。

ちょっとした影響ならあるかもしれません。たとえば、地磁気を頼りに飛んでいるとされる渡り鳥が、道に迷って渡りができなくなるなど。その反面、恐竜が滅んだときのような大量絶滅が起こる可能性は低いとされています。地磁気逆転が起こるたびに絶滅していたら、今ごろ私たちは地球上に生きていませんよね。

いい質問です。正直、私にもよく分かりません。方位磁石の針が反転する以外の変化が、何かあるのか？　ちょっと考えてみましたが、思いつきませんでした。もし君たちが知っていたら教えてください。

あります。一説には、「今から２千年後に起こる」と言っている学者がいますし、仮にそれが外れ ても、数万年以内には確実に起こります。すでに人類が現れてから１０数回の地磁気逆転が起こっているからですが、とはいえ「２千年後」とは遠すぎる未来で、もう君たちも私も生きていませんね。